愛でしかなかった(2024年振り返り)
年の瀬いかがお過ごしでしょうか。
私は12月1日に東京ビッグサイトで初めて開催された文学フリマに出店し、その後は仕事の繁忙期やら雪国出張やらをへろへろでこなしていました。
ようやく一息ついて、大掃除など始めたところです。
自主制作の新刊を出したのに通販サイトを立ち上げられず、書店さまへのご案内もできておらずですが、2024年もまもなく終わってしまうので怒濤の一年を振り返りたいと思います。
・1月 商業出版原稿脱稿!
・2月 新型コロナウイルス罹患、半同棲開始、婚約
・3月 小声書房フェア「早乙女ぐりこの本棚」開催、実家挨拶
・4月 『速く、ぐりこ!もっと速く』(百万年書房)出版、葉々社「百万年書房の日」参加、百年の二度寝「刊行記念ちょっとしたパーティー」にて朗読&サイン、双子のライオン堂で岸波龍さんと対談
・5月 三省堂書店神保町本店で宮崎智之さんと対談、UNITEで沙東すずさんと対談、文学フリマ東京38に出店し『出版前夜』『三酒三様2』刊行
・6月 推し卒業、義実家挨拶、フォトウェディング
・7月 文学フリマ香川1出店
・8月 スピードスターブックフェスに出店し『ほうき星のあとさき』刊行、双子のライオン堂でオルタナ旧市街さんと対談、婚姻届提出
・9月 透明書店でササキアイさんと対談、両家顔合わせ、ぎっくり腰
・10月 『文藝』2024年冬季号に高瀬隼子『新しい恋愛』の書評掲載
・11月 さいたまの鍼とお灸 豊泉堂の企画「背中は語っている」に参加
・12月 文学フリマ東京39に出店し『ハローアゲイン』刊行、『お悔やみ申し上げません 百万年書房北尾修一生前弔辞集』(百万年書房)に弔辞寄稿、『文集・『富士日記』の1年』に手記寄稿
こうして書き出してみると、めまぐるしすぎてちょっと訳がわからないですね!
イベントなどでもよく話していることですが、私は毎年年末に、「やりたいことリスト100」というリストを作成し、翌年達成したいことを書き出しています。
そのリストの先頭に長年「商業出版で本を出す」と書き続けてきて、今年はついにそれを達成することができました。『速く、ぐりこ!もっと速く!』という本を出版して、たくさんの方から温かいご感想をいただきました。サイン会やトークイベントの機会も多数いただき、読者の方と直接交流したり、書くことについて等々憧れの方とお話ししたりできました。本当に幸せな一年だったなと思います。
毎年恒例、年末に私がやることがもうひとつ。「今年の漢字」を決めること。
私の今年の漢字なんてね、もうね、そりゃね、〈速〉で決まりでしょって思っていたんですよ。
『速ぐり』の〈速〉だし、商業出版といい婚約結婚といい爆速で人生が動きすぎたし。
でも、今年一年を振り返ってみると、爆速だったなあ、というより、愛をもらったなあ、という実感ばかりがぽっぽっと湧いてくるんです。
速度は目に見えなくて、どんなに急いで懸命に走ったって目的地に着いたらそれで終わりだけれど、
もらった愛はずっとお腹の奥底あたりに温かく残っているんです。
商業出版や結婚報告を、自分のことのように喜んでお祝いしてくれた友人たち。
『速ぐり』と出会えてよかった、これからも応援していますと、直接あるいはネット上で伝えてくださった読者の方。
私の本に手書きのポップをつけたり、SNSや誌面で紹介してくださった書店の方や憧れの先輩作家の方。
私の刊行記念イベントに必ず参加してくれて、初書評が掲載されたときも真っ先に感想をくれた北尾さん(弔辞で「めちゃくちゃ悔しかった」とか書いちゃいましたが)。
私が髪を振り乱して執筆しているときにカレーや筑前煮を作って食べさせてくれるパートナー。
2024年、私の今年の漢字は〈愛〉でした。愛でしかなかった。
普段は、「愛情の押しつけは暴力!!」とか言ってはばからないくせに何を恥ずかしげもなく書いているんだという感じですが、今はそういう気持ちでいます。
私の本を届けてくださる書店の方々、読んでくださった方々、家族友人、そして私の本を世に送り出してくださった百万年書房の北尾さんに改めてお礼をお伝えできればと思います。
2025年について。
日記は変わらず書き続けていますが、先日刊行した『ハローアゲイン』をもって日記本の自主制作は一旦終わりにすることに決めました。
2025年も各地の文フリには出るつもりですが(まずは1/19文学フリマ京都に出ます!)、新刊は持っていけないかもしれません。
ご依頼いただいている原稿があり、今はとにかくそれに全力投球したいと思っています。
あんなお仕事やこんなお仕事するよ!と言いたいけれど、まだ形が見えないので粛々とがんばります。
あとは、今は告知しかできていないこの公式サイトに、エッセイや旅行記や日記の断片みたいな文章をちょこちょこアップしていけたらいいなあと思っています。
2024年、大きな目標はひとつ達成できたけれど、私にはまだまだやりたいことがたくさんあります。
恩返ししたい人がたくさんいます。
2025年もどうぞよろしくお願いいたします。
早乙女ぐりこ